2.ただ「食べる」のはもったいない!食事は自分への最大の投資!
食事が健康に関係しているのはわかるけど、いまいちやる気にならない。。。
いざ、自炊をしようと思ってもなかなか腰が上がらない。
そう思って、二の足を踏んでいたらもったいない!
食事を変えることで、不調だけではなく(前回の記事参照)、様々なことが変わってきます。
食事を変えて、パフォーマンスアップ
毎朝すっきりと目覚め、やる気にあふれ、冴えた頭脳とあふれる体力で目標達成に向けて様々な困難を乗り越えていく・・・
そんな人生も、夢ではないかもしれません。
現在、様々な研究により食事と、意欲や集中力、学力、体力、精神力などの日常生活のパフォーマンスとの関係が明らかになっています。
■朝ごはんで集中力アップ
朝起きたとき、私たちの脳とからだは飢餓状態、低血糖状態になっています。
朝ご飯を食べないと、低血糖の状態が次の食事まで続きます。
そして、1日1食や2食など、時間をあけて食事をとるとき、血糖値は急上昇し、その後急降下します。
この、急降下の時、急激な低血糖状態になり、眠気やだるさを感じたり、集中力の低下、イライラがおこりやすくなったりします。
逆に、朝ご飯を食べると、血糖値が上がり、脳とからだがエネルギーを確保することができるとともに、血糖値の乱高下を防ぐことができます。
その結果、集中力や、思考力、運動機能が正常に働き、最良のパフォーマンスで生活することができると考えられます。
文部科学省の小学生への調査によると、朝ご飯を食べている子のほうが、学力、体力の点数が高くなっています。
さらに、朝食のおかずの数が多い子ほど学力調査の点数が高い、というデータもあります。
さらに、2009年に全国の35歳~44歳の4年生大学・大学院を卒業した会社員500名を対象に実施された調査※4によると、朝ご飯を毎日とっている人は、そうでない人と比べて、第1志望企業の就職率や年収にも差がみられたと報告されています。
また、大塚製薬の成人男性 20名を対象にした調査※5によると、朝食をとっていないグループと比べて、複数のおかずをとっているグループは疲れにくく、集中度が高く、作業量が多い傾向がみられました。
このように、朝食一つとっても、食事が様々なパフォーマンスと関係していることが分かります。
■健康維持に1ドルの投資を行えば、3ドルの節約になる
現在、糖尿病の患者数が増加しています。
平成29年国民健康・栄養調査結果によると、70歳以上男性の4人に1人、女性の5人に1人が「糖尿病が強く疑われる者」とされています。
糖尿病と診断されると、通院などで医療費がかかってきます。
投薬なしの食事と運動療法では年間15万円(窓口負担額は3割の場合4.5万円)、
症状が悪化し服薬1種類で、32万円(窓口負担9.5万円)、
インスリン注射と投薬で44万円(窓口負担13.2万円)、
最終的に、インスリン注射、投薬と人工透析で年間400~600万円(高額療養費制度特例の場合窓口負担12万円)となります※6。
糖尿病以外に高血圧、高脂血症、腎症などの病気がある場合は、医療費はさらに増えるそうです。
また、ある記事※7では、すべての年代で医療費3割負担として50代から80歳で死亡するとした場合、自己負担分の医療費がどの程度かかるか、比較がされています。
その結果、「ほぼ健康体のまま、2年に1度人間ドッグに通い、最後は自宅で亡くなった方」と、「55歳で糖尿病、68歳で脳梗塞、70歳から寝たきりになった方」とでは、30年間で医療費自己負担分に1156万円の差が出たと報告されています。
さらに、世界250社、約11万4000人を対象とした研究結果※8によると、健康投資(健康教育プログラムの提供)1ドルで3ドルのリターン(欠勤率の低下、不調の解消、医療費削減、モチベーションの向上など)があったと報告されています。
このように、不調や生活習慣病(生活習慣次第で発病を防ぐことができる病気※8)になるかならないかで、医療費に加え、欠勤、モチベーション等の社会的なコストも変わってきます。
不調や生活習慣病を予防し、さらに、現在のパフォーマンスもあがるとなれば、食生活にお金と時間をかけることは、最大のリターンをもたらす最高の投資といえるのではないでしょうか。
いい就職先につくために、子どもを塾やスポーツクラブに通わせるのもいいですが、その前に、食事ですよ!奥さん!
■参考資料
※1 文部科学省:「全国学力・学習状況調査」(平成27(2015)年度)
※2 農林水産省:平成30年度 食育白書https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/pdf/b_2_2.pdf
※3 スポーツ庁:「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(平成27(2015)年度)
※4東北大学加齢医学研究所・川島隆太研究室「朝ごはんに関する意識と実態調査」https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/20100112_01.pdf
※5 大塚製薬:食事の内容が脳と体のパフォーマンスに影響https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/balance/performance/#tab04
※6厚生労働省保険局調査課:平成27年度 医療費の動向、糖尿病ネットワークhttps://dm-net.co.jp/seido/02/
※7 PRESIDENT 2012年11月12日号 https://president.jp/articles/-/12028?page=2
※8 経済産業省:健康経営の推進について:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000157832.pdf
※9 生活習慣病予防協会:http://www.seikatsusyukanbyo.com/prevention/about.php