たべラボログ

熊本県立大学の食育推進グループ「たべラボ」から食に関する情報をお届けします。

1.「朝起きられない」「疲れやすい」はなぜ起こる?

f:id:taberabo-puk:20200630133539j:plain

☑朝起きるのがつらい

☑疲れやすい

☑肩がこる

☑やる気が出ない

☑ニキビ・肌荒れがある

☑イライラする

☑便秘

☑風邪をひきやすい

☑アレルギー

☑めまい

・・・・・・・・・

 

こんな症状に悩まされていませんか?

 

東京都南多摩保健所が実施した、「青年期の食行動等に関する調査報告※1」によると、どれかひとつでも当てはまる人は85%、女性では生理不順が追加されると99%にもなるそうです。

 

この、病気ではないけど、なんとなく不調…という状態。

当たり前すぎて、不調だと感じていない人もいるかもしれません。

以前、1週間に1度しか排便がないけど、子どものころからそうだったから便秘とは思わなかった、という人もいました。

 

実は、これらの「なんとなく不調」な症状と食生活には関係があることが分かっています。

 

平成22年度に小中学生を対象に実施された調査※2によると、朝食を「必ず毎日食べる」と回答した子は、欠食傾向のある子に比べて、「朝なかなか起きられず、午前中、身体の調子が悪い」「食欲がないことがある」などの不調を訴える割合が低かったと報告されています。

 

また、高校生※3、大学生への調査※4でも、野菜摂取不足や栄養バランスの悪さ、欠食などの食事の乱れがある人ほど様々な不調を訴えている傾向にあること、欠食や栄養の偏りは,1日のエネルギー摂取不足による体力の低下や血糖低下による眠気や倦怠感(だるさ)をもたらすことなどが指摘されています。

 

もちろん、不調には睡眠や生活リズム、運動不足、ストレスなど、様々な要因が関係しているため、食生活を改善すれば、すべて解決!というわけにはいきません。

 

しかし、食生活の改善は、現在感じている様々な不調を多少なりとも改善できる可能性を秘めているのです。

 

私は、中学生のころ冒頭の不調のほとんどすべてに悩まされていました。

不調のため、毎日学校に行くのもつらかったのですが、その状態が長く日常だったため、症状を改善できる方法があるだなんて思いもしませんでした。

しかし、大学生になり、食について学ぶ中で、これらの不調の原因の一つが食生活の乱れであり、食生活を改善することでこれらの症状も改善される可能性があることを知りました。

その時、私は雷が落ちたような衝撃を受けました!

さんざん苦しんできた不調に、解決方法があり、しかもそれが食生活を変えるというとても簡単な方法でできる(かもしれない)だなんて!

なんで今まで誰も教えてくれなかったんだ!と、とても悔しかったのを覚えています。

この悔しい体験が、私が食生活の研究を始めたきっかけの一つになりました。

 

話は少しずれましたが…これらの不調を少しでも感じている人は、食生活を見直してみることを強くお勧めします!!

 

次回は、食生活を変えることは、不調のみならず、私たちの未来を変えることにもつながるかも?という研究を紹介していきます!

 

■参考資料

※1 東京都南多摩保健所:青年期の食行動等に関する調査報告

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/minamitama/gyoumu/eiyou/eiyou3/m_seinen_cho.html

※2 独立行政法人日本スポーツ振興センター:平成22年度 児童生徒の食事状況等調査報告書【食生活編】:https://www.jpnsport.go.jp/anzen/anzen_school/tyosakekka/tabid/1490/Default.aspx

※3 原田 昭子, 矢埜 みどり, 岸田 恵津, 大瀬良 知子 、高校生の食物摂取状況と不定愁訴との関連、食生活学会、22、213-221(2011)

※4 佐藤公子、小田滋:看護生徒の健康感と食生活の関連、小児保健研究、66、649-659(2007)